この2年で世界を取り巻く状況は大きく変わった。地球規模で、生存を賭けた一律共通の課題を突きつけられ、私たちはみな多かれ少なかれ自身への内省を迫られた。驚くべきことである。
しかしその課題はきびしい。異質なるものと戦い排除するのではなく、どんなに難しくてもお互いを尊重し共に生きる以外に、この世界を存続させることはできない。すべてのことはそこに行き着くという理を、私たち人類はまだ受け入れられずにいるように見える。
どうあれ、もうかつてには戻れない世の中にあって、私たちは大きな変容の岐路に立たされている。
菅野由美子